海辺の宝もの ヘレン・ブッシュ 作/鳥見真生 訳/佐竹美保 絵

昔、ぬぷん、から出ていた「海辺のたから」の新訳がでました。
イギリスの海岸でたくさんの恐竜の化石を発掘したメアリー・アニングの伝記です。
ダーウィンの10年前(ダーウィンは1809年生まれ、進化論の発表は1850年代…だったとおもう)1799年生まれのメアリーが生きたのは、博物学に火がつき、海岸で拾った化石がお土産として観光客に売れるようになった時代でした。
父親が亡くなり、学校にいくお金が無くなったメアリーは、兄と化石を拾って一家の暮らしを支え始めましたが、ほかの人たちとは違い、メアリーは、化石に売り物以上の興味を持ったのです。
これはいったいなんなのだろうとー。
まともに学校教育も受けていない労働者階級だったために、彼女は一度は科学史から抹殺されかかりましたが、今では彼女の名前を知らない古生物学者はいないでしょう。
彼女の発見した恐竜の完全骨格によって、いままでに絶滅した生物がいたのだ、ということが確定したからです。神がすべてを作ったのだから、地球も地球上の生物もそのときからまったく変わっていない、というのが当時の常識でした(今見当たらないものは、まだ未発見なんだとされてたらしい)。が、そうするとたくさんの矛盾が出てきます。
メアリーの発見はそれに終止符をうつものだったわけです。
いろいろな学者たちに話を聞いて、メアリーは、科学的に意味のある化石を探し始めます。
もう一冊、これは日本で書かれた「メアリー・アニングの冒険」という本もあります(絵本も一冊あるけど、あまり魅力的でない絵がついてるの)。
メアリーがいなかったら、ダーウィンも生まれていなかったかもしれません。
18世紀、人類が本格的に知に目覚めていく過程は本当に面白いです。
訳も読みやすいです。
発行:あすなろ書房
サイズ:A5判
ページ数:232頁
posted by 本の探偵 赤木かん子 at 09:00|
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