2011年12月25日

クリスマスストーリー25
「あるクリスマス」

クリスマスストーリー25
「あるクリスマス」
あるクリスマス
トールマン カポーティ (著), 村上 春樹 (翻訳), 山本 容子, トルーマン・カポーティ (著)

12月25日のクリスマスストーリーの最後を飾るのはトルーマン・カポーティの「あるクリスマス」だ。
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が、実は私はこの本は、ほとんど人に紹介したことがない…。
なぜかというと、この本を読む前と読んだ後では確実にその人の人生を変えてしまうからである。
そんな恐ろしい本は人になど、勧められるものではない。
カポーティは重傷のACだった……。
若いときは素晴らしい美形でゲイで、酒浸りでヤク中で「冷血」で、たぶん意識的に初めて精神犯罪者を描き、ドキュメンタリー、というジャンルを確立したけど、描いた理由は、オレだって一歩間違えばこうなってたかもしれない、だったと思う。

そうしてカポーティのクリスマスものといえば、老女のスックとクリスマスケーキを焼く「クリスマスの思い出」のほうが日本では圧倒的に人気だけど、私はあれを読んだとき、なぜか吐き気がしたのを覚えている。
理由は、この本を読んだときにわかった。
カポーティの母親は南部一の美女で、これまた美形の男とくっついたのだが、二人とも若すぎてカポーティを生むと二人して放り出したのだそうだ。
これは、ぬくぬくとおじいちゃんたちと暮らしていたのに、クリスマスに無理やりその父親に呼ばれ、6歳の少年が大都会の父親の屋敷で過ごす話だが、客はすべて年配の女性たちばかりで、つまり、父親はジゴロなのだということをカポーティは知る。
そうして粉々になった自分のかけらを拾い集めて彼は絶望して帰るのだ。
この賢すぎる6歳の子どもの絶望に、スックは無力だったろう。
これはカポーティがなぜ壊れたか、の物語なのだ。
彼はそのズタボロの自分を抱えて60年生きることになる。
この話の結末は、なんとも形容のしがたいものである。
これを書いた半年後に彼は死んだ。
彼の最後は安らかだったのだろうか、と、安らかだったらいいな、と思う。
これは‘鳥肌が立つ’一冊なのである。
一生にいちどでいいからこういう本を書きたい……とも思うし、絶対書きたくない、とも思うのだ。

出版社:文藝春秋
サイズ:18.6x12.2x1.6cm
単行本:77ページ
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2011年12月24日

クリスマスストーリー24
「なるほどクリスマス降誕劇」

12月24日、のクリスマスストーリーは「なるほどクリスマス降誕劇」です。
キリスト教系のとこでは、よく、この降誕劇をやります。
ヨセフとマリアが馬小屋でキリストを生み、そこに三人の博士がやってきて祝福する、というやつね。
正直いって、毎年やってるし、みんな飽き飽きしてた。
ところが今年はひょんなことから、ワルのハードマンきょうだいがクッキーにつられて教会にやってきて、こともあろうに、長女のイモジェーンが交代にはまっちゃったんです。
妊娠した女を馬小屋に追い出したんだって?!
なんてことすんだ!
民生委員はどこ行ったのさ!
と、がなるイモジェーンにおばちゃんたちは卒倒しそうになるんですが、
よく考えたらそうよね…、というわけで、神々しい降誕劇が、初めて子どもを生む、それも誰の助けもなしに貧しい若い二人が悪戦苦闘する、妙にリアルな話に変貌していく……演劇の好きな人ならこんなに魅力的な話はそうありません。
そうしてそうでない人にとっても、こんなに感動したことってありませんわ、とおばちゃんズが涙を拭きながら帰る話に変貌するのです。
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図書館で借りてね。
バーバラ・口ビンソン:作/たかはしえいこ訳
すぐ書房
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2011年12月23日

クリスマスストーリー23
「ぴちぴちカイサのクリスマス」

23日は「ぴちぴちカイサのクリスマス」です。
カイサは五才くらいのがんばりやの女の子。
おばあさんは毎年、赤と白のだんだら模様の飴を作ってクリスマスに売ります。
おばあさんの飴はほっぺたが落ちるほど美味しいのです。
ところが今年はおばあさんが足をくじいてしまった!
クリスマスのご馳走も、プレゼントもなし!?
カイサは頑張りました。
うちじゅうを掃除し、ご馳走を並べ、飴を50パイサずつに包んでもらって(カイサはまだ字が読めないし計算もできないのです)飴の屋台を出したのです!
飴は売れました!
誰も誤魔化したりなんてしませんでした。

飴が売り切れると、カイサはおもちゃやさんに寄ると、よくわからない紙包みを受け取りました。
責任をもって仕事することは楽しいことです。
精神的に健康で、幸福なクリスマスの物語です。
幼年文学のかたちをしていますが、いまなら大人にだって楽しいでしょう。
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ぴちぴちカイサとクリスマスのひみつ リンドグレーン (著), ヴィークランド (イラスト), 山内 清子 (翻訳)

出版社:偕成社
サイズ:20.8x17.6x1cm
単行本: 31ページ
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2011年12月22日

クリスマスストーリー22
「おじいさんのマフラー」

12月22日のクリスマスストーリーは
短編集というのは行と行のあいだを読まなくてはいけないので、難しく、読み解くのに骨が折れるものですが、その代表のこの「おじいさんのマフラー」をーー。
四ページほどしかない話ばかり入っているのですが、その難しいことといったら!
そのなかのひとつに、クリスマスストーリーがあるんです。
ホームの女の子が、去年クリスマスに招待してくれたうちが、今年も呼んでくれないかと、そのうちの家の前の塀に腰掛けてじっと窓を眺めてる話が……。
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ウルズラ フックス (著), 金井塚 道栄 (イラスト), かんざき いわお (翻訳)
単行本:127ページ
出版社:さ・え・ら書房 (1987/01)
サイズ:20.6x15.2x1.8 cm
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2011年12月21日

クリスマスストーリー21
「クルミ割り人形」

12月21日のクリスマスの本はくるみわり人形とねずみの王さま
E・T・A・ホフマン (著), リスベート・ツヴェルガー (イラスト), 山本 定祐 (翻訳)
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「クルミ割り人形」です。
この話はチャイコフスキーの音楽とクラシックバレエがあまりにも有名なので、誰でも名前は知っていると思いますが、本を読んでいる人はそんなにいないでしょう。
でも、これは優れた物語だと思うよ。ただし、ホラーとして〓
だってあのラスト、クルミ割りと結婚したクララはね、人形の国に行っちゃうんだよ?
怖くない?
クララに人形をくれたドロッセルマイヤーも、いったい何者なのか結局わかんないしさ。
あの時代のドイツって、子ども用の物語をたくさん作ってるんだよね。
それも子ども用だか大人用だかわかんないものをーー。
この話を下敷きにした「ドロッセルマイヤーの人形劇場」という話が斎藤洋にありますが、それもできがいいです。
単行本:169ページ
出版社:冨山房
サイズ:4.8x3.4x0.4cm
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2011年12月20日

クリスマスストーリー20
「クリスマスの猫」

12月20日のクリスマスストーリーは堅物、どっちかっていうとホラー系、サスペンス系のウェストウォールにしては珍しいロマンスの「クリスマスの猫」をー。
上流階級の賢い、強いお嬢さまと、まっすぐでしっかりものの庶民の少年とのラブストーリーです。
さすがに手練れでいらっしゃる、短いのですが、一部の隙もない仕上がりです。
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ロバート ウェストール (著)ジョン ロレンス (イラスト), 坂崎 麻子 (翻訳)
出版社:徳間書店
サイズ:18.4x13.4x1.6cm
単行本:125ページ
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2011年12月19日

クリスマスストーリー19
「セーラ・ヒルの聖夜」

12月19日のクリスマスストーリーは
萩尾望都の「セーラ・ヒルの聖夜」をー。
あ、もちろんこれはマンガです。
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1970年代、アメリカで吹き荒れた離婚の嵐は
それまでの、血がつながっているから家族!という外面的なことではなく
本質的に家族とはなにか?親子とはなにか?
父親であるとはどういうことか?
などという問いに真剣に答えようとするものでした。
そうしてその頃、日本でそれに呼応していたのは活字の児童文学ではなく、マンガの児童文学だったのです。
クリスマス休暇におばあさまの家に遊びに行った少女は、自分と瓜二つの少年に出会います。
瞬間ひかれあい、魂の半分に出会ったような衝撃!
こんなに似てるのに、そこに何かないはずがない、と二人は出生の秘密を探り出し、きょうだいであったことを知るのです。
クリスマスは、癒やしと再生のとき…‥。
クリスマスイブのキャロルで、この物語は大団円を迎えますが、最高のクリスマスストーリーであると同時に、この作品は、アメリカの児童文学者たちが提示した問題の最終的な答えでもあったのです。
児童文学を読んでいるなら、読んでおかなくてはいけない一冊でしょう。

出版社:小学館
サイズ:18x13x1.8cm
コミック: 229ページ
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2011年12月18日

クリスマスストーリー18
「青い紅玉」事件

シャーロック・ホームズの冒険 7 青い紅玉
ジェレミー・ブレット
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12月18日のクリスマスストーリーは、シャーロック・ホームズ唯一の(だと思った)「青い紅玉」事件をー。
クリスマスイブに酔っ払った男が落としていった立派なガチョウとシルクハット……、そのガチョウの餌袋から盗まれた青い紅玉が出てきた!
という、ホームズもののなかでも(いくつも問題はあるにせよ)物語としての完成度は高い話です。
当時のロンドンのクリスマスの雰囲気も味わえ、へー、イギリスでは、チキンでも七面鳥でもなく、ガチョウを食べるんだなぁ、ということを知った作品です。
一回クリスマスにロンドンにいって、ガチョウ食べてピーターパンの芝居を見たいもんです。
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2011年12月17日

クリスマスストーリー17
「アンと山のこびと」

12月17日のクリスマスストーリーは
「アンと山のこびと」■作:アリソン・アトリー■絵:油野誠一 ■訳:鈴木武樹
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これも、図書館の書庫を探さないともう出てこない一冊でしょうが、鈴木武樹の翻訳がめちゃうまくて、最高の一冊です。
短編集なんですが、そのなかに、コッツウォルド(羊と美しい丘陵で有名)の年取った羊飼いがクリスマスに、ロンドンに羊の木彫りを売りにくる話があるの。
でも地味羊は全然売れないし、息子は手作りでやってたら儲からないって思うんだけど、ひょんなことから病気の王子さまに買われることになってね、王子さまは一生懸命エサのやりかたとか、手入れのしかたをきく。
一匹一匹顔が違う木彫りの羊の素晴らしさを子どもはわかったんだよ、って話ー。
ほかの話もすごくいいよ。
本当に翻訳がうまいのよ。

発行年:昭和42年 第1刷発行
出版社:学習研究社
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2011年12月16日

クリスマスストーリー16
「ホリーとアイビーの物語」

12月16日のクリスマスの本は、ルーマー・ゴッデンの「ホリーとアイビーの物語」です。
ただしこの本は、1965年なので、かなり大きい図書館にいかないとないでしょう。
そのあと二回、翻訳し直されてでてますが、私はこの訳が一番好き。
イラストはいけてないけどね。
誰か、女の子に持ち主になってもらいたい人形のホリーと、自分のうちが欲しい女の子アイビーがクリスマスの晩に望みを叶える話です。
願って願って、体が壊れるほど願う痛みと切なさは、読んでいるこちらの体が痛くなってくるほどです。
ゴッデンのストーリーはホントにハイレベルすぎるくらいハイレベルよ。
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2011年12月15日

クリスマスストーリー15
「いたずらっ子エーミール」

12月15日のクリスマス本は、これまたリンドグレンの全然有名にならない「いたずらっ子エーミール」です。
たった五才で商才もあり、正義感の強いエーミールの日常生活を描いたものですが、リンドグレンが小さいとき遊んだ19世紀後半のスウェーデンの農場暮らしを一番伝えている作品でもあります。
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素晴らしく完成度が高いのですが、やかまし村のようには日本で有名じゃないのは情緒的ではないからでしょう。
叙情性はないからね。
その中の一つがクリスマスの話で、村の中で行き場のない老人たちが暮らす小屋……ボロ小屋……の女ボスが村人がくれたご馳走を一人占めしたのをきいて、カンカンに怒ったエーミールが、自分ちのご馳走を全部振る舞う話です。
これもいくつも訳がありますが、尾崎義ほか、の1965年?くらいにでてた、大きな版が、最高だと思う。ほかの話も面白いですよ。

アストリッド リンドグレーン (著), ビョルン=ベルイ (イラスト), 小野寺 百合子 (翻訳)
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2011年12月14日

クリスマスストーリー14
「グレーラビットと旅のはりねずみ」

12月14日のクリスマスストーリーは、「グレーラビットと旅のはりねずみ」です。
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このシリーズは、気だてが良くて働き者で賢いグレーラビットと、お調子者でおっちょこちょいのヘアー(野ウサギね)とお洒落で怠け者のスキレル(りすね)の三人組の昔ながらの質素で豊かな暮らしが描かれる上質なストーリーで、ピーター・ラビットと違うのは、皮肉でないとこかな。
そのなかでも私が一番好きなのは、流れ者のはりねずみに、上等なコートを作ってプレゼントするこの話。
厳密にはクリスマスストーリーじゃなくて、冬の話なんだけど、いいよね。
グレーラビットはまわりに訳を話してはぎれをもらい、きれいなパッチワークのコートを作るんですが、流れ者に反感を持ってたヘアーやスキレルも(このシリーズで唯一疑問なのが、なんでグレーラビットがこの大食らいの怠け者コンビの面倒をみてるのか!ってことだわね)実際にはりねずみに会いに行って改心します。
そう、このはりねずみがいいのよ!
本当に実力者!
こういう人と会うとこっちのレベルまであげてもらえる……。
クリスマスストーリーが読みたい人は「グレーラビットのクリスマス」もあるよ。

グレー・ラビットと旅のはりねずみ (1981年) (児童図書館・絵本の部屋―グレー・ラビットシリーズ8)

出版社: 評論社
単行本:63ページ
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2011年12月13日

クリスマスストーリー13
「わたしたちの島で」

12月13日のクリスマスストーリーは「わたしたちの島で」ー。
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有名なリンドグレンの、全然有名ではない作品ですが、私の大好きな一冊です。
有名な(でもってかなり天然で、子煩悩な)作家、メルケル・メルケルソンは島に別荘を持ってます。
そこに休みのたびに子どもたちをつれていくのですが(奥さんなしです)その春夏秋冬の日常を描いた作品で、特別な事件はなにもおきませんが、休暇の喜びとのびやかさにあふれていて心地いいのです。
その一章にクリスマスがあるのですが、近所のこれまた実に個性派の五才の女の子、チョルベンが、
パパ! サンタさんはいるの?いないの?
とせまるシーンは圧巻です。
「やかまし村」のクリスマスもいいけどね。
物語の好きな人向きです。

わたしたちの島で (リンドグレーン作品集 (15)) [単行本]
リンドグレーン (著), ロバート・ヘイルズ (イラスト), 尾崎 義 (翻訳)

出版社:岩波書店
サイズ:22.2x16.4x3cm
単行本:406ページ
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2011年12月12日

クリスマスストーリー12
「グロースターの仕立て屋」

12月12日のクリスマスストーリーは「グロースターの仕立て屋」です。
ご存じ、ピーター・ラビットシリーズのなかの一冊ですが、これは高校生にも出せる本です。
優れた物語には、必ず縦の糸と横の糸があるものですが、横の糸は年老いた貧しい仕立て屋のところに、市長さんのチョッキを仕立てる!という幸運が降ってきた!
のに仕立て屋は病気で寝込んでしまい、代わりにいつも親切にしてもらっていたねずみたちが、総出で縫ってやる、という可愛らしいお話ー。
縦糸は、ボタン穴をかがる穴糸を買ってきてくれ、と頼まれたのに、帰ってきたら捕まえたねずみを仕立て屋さんに逃がされてしまって恨んだ猫のトムが、その糸を隠してしまう、というダークなお話で、思わず笑ってしまうラストにいたるまで、きれいに織りあがった布になっています。
もう、80年以上前に書かれたものなのに、全然古くなっていないのはさすがです。
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グロースターの仕たて屋 (ピーターラビットの絵本400 15)
ビアトリクス・ポター (著, イラスト), Beatrix Potter (原著), いしい ももこ (翻訳)

出版社: 福音館書店
サイズ:14.4x11.2x1.2 cm
単行本:54ページ
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2011年12月11日

クリスマスストーリー11
「クリスマスの うた」

ブライアン・ワイルドスミス (イラスト)
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12月11日の、クリスマスストーリーは同じく歌の本でブライアン・ワイルドスミスの「クリスマスのうた」ー。
いま、石坂浩二が訳してるのがでてるけど、私は前のらくだ出版版の訳のが好き。
表紙もー。
一日目に届いた愛の贈りもの、は一羽のうずらがなしの木に
という歌ね。
映画「大脱走」のなかで穴掘りの音を隠すためにみんなが、がなってたのがこの歌です。
輪唱になってるんだよね。
CDも出てたよ、確か。

大型本
出版社:らくだ出版デザイン
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2011年12月10日

クリスマスストーリー10
「クリスマスソングブック」

12月10日のクリスマスストーリーは
歌の本をー。
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クリスマスには歌がつきもの。
なので「クリスマスソングブック」はたくさんありますが、そのなかでもアップリケと刺繍で作った、評論社の真紅の本は素晴らしい。
一見下手そうに見えるけど、巧いんだよ。
定価:1,575-
絵:ベリンダダウンズ / 刺繍・絵
出版社:評論社
posted by 本の探偵 赤木かん子 at 09:37| クリスマススト−リー

2011年12月09日

クリスマスストーリー9
「橋のしたの子どもたち」

橋の下のこどもたち
ナタリー・サベッジ カールソン (著), ガース ウィリアムズ (イラスト), Natalie Savage Carlson (原著), Garth Williams (原著), なかがわ ちひろ (翻訳)
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12月9日のクリスマスストーリーは「橋のしたの子どもたち」です。
パリの橋の下で気ままに暮らす、浮浪者のアルマンじいさんのところへ、子ども三人が転がり込んできます。
母親は、自分たちはちゃんとした家族なんだ、と必死に頑張ってるんですが……。
クリスマスのプレゼントにはおうちが欲しい、という子どもたちにほだされ、つい約束してしまったアルマンじいさんが覚悟を決め、定職につくまで、の物語ですが、クリスマスシーズンの美しいパリのデパート、焼きぐりやクレープの屋台、ショーウィンドウのなかのお菓子でできたうちの飾り、サンタクロースのバイトなど、 絵のように美しい楽しい物語です。
圧巻は浮浪者のためのクリスマスパーティーで、焼きキャベツとソーセージにオレンジ、というメニューにへぇ〜、と思ったものです。
今では、図書館の書庫くらいにしか本はないでしょうが、小粋でお洒落な一冊ー。
単行本:112ページ
出版社:フェリシモ出版
商品の寸法:22.2x14.8x2.4cm
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2011年12月08日

クリスマスストーリー8
「ムギと王さま」

ムギと王さま・本の小べや〈1〉 (岩波少年文庫)
Eleanor Farjeon (原著), Edward  Ardizzone (原著), 石井 桃子 (翻訳)
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12月8日のクリスマスストーリーは
飛びっきりの語り手……稀代のストーリーテラーだったエリナー・ファージョンの「ムギと王さま」
に入っている“ガラスのくじゃく”です。
この中には“ねんねこはおどる”“コマネラのロバ”“サン・フェアリー・アン”“小さい仕立て屋さん”など、私の好きな話がいくつも入っているのですが、この話は貧しい女の子が、クリスマス当日、お金持ちの奥さまから、ガラスの小さな飾りがいっぱい下がったツリーをもらう話です。
物悲しくて、でもしっかりした幸福感と余韻が残る話です。
本当に大切なものは、物質にはないのですから。

単行本:283ページ
出版社:岩波書店 (2001/5/18)
発売日:2001/5/18
サイズ:17x12 x1.6cm
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2011年12月07日

クリスマスストーリー7
「山のクリスマス」

12月7日のクリスマスストーリーは「山のクリスマス」。
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山のクリスマス (岩波の子どもの本)
ルドウィヒ ベーメルマンス (著, イラスト), Ludwig Bemelmans (原著), 光吉 夏弥 (翻訳)
私にとって長い間、ベーメンマンはマドレーヌ、の作家ではなく、この本を描いた人、でした。
一年生のハンシ、が生まれて初めてうちを離れ、山のおじさんのうちに冬休み泊まりにいく……というだけの話なのですが
その暮らしがどれだけ魅力的に見えたことか!
大人になってから読むと、屋台で果物を売ってほそぼそと暮らしているこのお母さんは母子家庭なんだなぁ、とか、その人が、初めて息子を手放した気持ち、とかが痛いほど伝わってくるのですが、子どもには、金文字で名前が書いてある白いカップでおかあさんがコーヒーを飲むのがカッコ良かったことや、毎日ハンシが学校から帰ってくる頃になると、お母さんがコンロに放り込んだりんごが“歌を歌っている”のがおいしそうだった(つまり、焼きリンゴね)だったのです。
本当にこの話は食べてばっかりで、きこりのフランツのうちでご馳走になったキノコ入りのおだんごシチューにどれだけ憧れたことか!
(ちなみに、これはまだ食べたことがありません。日本には入ってこなかったらしい)。
圧巻はクリスマスクッキー作りと、仮装した少年たちが、家々を回って歌うクリスマス・キャロル……真夜中の教会への礼拝でしょう。
これは石井桃子の仕事のなかでも傑作のひとつでしょう。
それこそ何百回読んだことか!
でもいまお読みになるなら、お風呂に入ってゆっくりくつろいで、ご自分のネジを少し巻き戻すくらいの感じで無理やり気持ちをゆっくりさせないと、入るのが難しいかもしれません。
いま、を自分から追い出さないと……。
うまく入れればめっけもの。至福の時が過ごせますよ。

定価:945-
単行本:85ページ
出版社:岩波書店 (1982/01)
サイズ:20.2 x 16.4 x 1.2 cm
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2011年12月06日

クリスマスストーリー6
「にぎやかな眠り」

にぎやかな眠り (創元推理文庫) 高田 恵子 (著), シャーロット・マクラウド(著)
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12月6日のクリスマスストーリーは
「にぎやかな眠り」東京創元推理文庫です。
シャーロット・マクラウドが書いた、優秀な農夫を育成することを目的とするバラクラヴァ農業大学、そこの土壌の専門家、シャンディ教授を探偵役とした、カンペキなコージーミステリーの最高傑作シリーズです(私は二冊目の「蹄鉄ころんだ」が一番好き)。
町をあげて(もちろん金を稼ぐため)のクリスマスイルミネーション作戦に参加しろ、と口うるさくいわれた教授が頭にきて派手派手に飾りつけた家に戻ってみたら、親友の奥さんが死んでいた……。
なんでも見たら数えなくては気の済まない教授はガラスのビー玉の数から、それが事故ではなく殺人だと見破ります。
そうしてこの話はシャンディ教授が、奥さんになるヘレンと出会うロマンスでもあるのですが、彼女はプロの司書、本物の学芸員なので、司書は読んでおくべきシリーズでもあります。
仕事……覚えられるよ。

ただし、このシリーズはいまは在庫なし状態らしく、図書館にいくしかないようです。
東京創元社さん!復刊してよ!


出版社:東京創元社 (1987/12)
発売日:1987/12
サイズ:14.8x10.8x1.8cm
文庫:420ページ
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2011年12月05日

クリスマスストーリー5
「クリスマスものおくりもの」

ジョン バーニンガム (著), 長田 弘 (翻訳)
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12月5日のクリスマスストーリーは
同じサンタクロースでも働き者の「クリスマスものおくりもの」
さっぱり人気になりませんが、バーニンガム の渾身の一冊だと思います。
プレゼントを配り終えてくたくたになって帰ってきたサンタクロースが目にしたものは、遠い山のてっぺんに住む貧乏な男の子のためのプレゼント……。
トナカイは風邪っぴきだし、くたびれきったサンタクロースは一瞬、さぼろうか、と思いますが、その子は他のプレゼントはもらえないだろう子どもです。
風邪っぴきのトナカイは休ませ、サンタクロースは途中で会った人から車や飛行機を借りてプレゼントを届けにいきます。みんな、そういうことなら、とまた快く貸してくれるのよね!
これこそが奉仕、ボランティア、無償の愛です。 大人の側から読むと、これは本当に骨身に沁みる一冊です。
子どもを守る!ってのは、こういうことなんだよっ! と、バーニンガムおじさんはいっているのです。

定価:1,890-
出版社:ほるぷ出版
サイズ:30.2x26.8x0.8cm
大型本
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2011年12月04日

クリスマスストーリー4
「さむがりやのサンタ」

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)
レイモンド・ブリッグズ (著), さむがりやのサンタ (イラスト), すがはら ひろくに (翻訳)

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12月4日のクリスマスストーリーは定番中の定番!
出版されて以来、不動の一位をしめる「さむがりやのサンタ」と「サンタの楽しい夏休み」(こっちは買っておいて七月に出します)です。
ぶつぶつと文句いいっぱなしの人間くさいサンタクロースで、何度見ても飽きませんね。
細密画なので読み聞かせには向きませんが〓。
万が一、読んでない人がいたら、読んでおいてちょうだいね。
定価:1,260-
出版社:福音館書店
サイズ:25.2x21.4x1.2cm
ハードカバー: 32ページ
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2011年12月03日

クリスマスストーリー3
「ポインセチアはまほうの花」 ―メキシコのクリスマスのおはなし

ポインセチアはまほうの花―メキシコのクリスマスのおはなし
Joanne Oppenheim (原著), Fabian Negrin (原著), 宇野 和美 (翻訳)

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12月3日のクリスマスストーリーは
今年の新刊絵本「ポインセチアはまほうの花」をー。
クリスマスにポインセチアの花はいまや常識ですが、なぜあの葉っぱがクリスマス用なのか、前から不思議に思っていました。
メキシコ?の民話だそうです。
貧しくて、クリスマスの日にキリストになにも贈り物ができない、と嘆く
パターンがクリスマスものにはあるのですが、これもそのひとつ。
嘆く子どもに、教会の外にあった葉っぱが、私を持っていきなさい、とささやき、その通りにすると、教会の灯りのなかで、その葉っぱが真紅にきらめいた、というお話です。
素晴らしく深みのある絵が、この話を今のものに仕立て上げています。
ポインセチアの鉢と並べておくとカッコいいよ!

出版社:光村教育図書
サイズ:29.2x23.2x1.2cm
大型本
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2011年12月02日

クリスマスストーリー2
「飛ぶ教室」

12月2日のクリスマスストーリーは
エーリッヒ・ケストナーの飛ぶ教室 (講談社文庫)
エーリッヒ ケストナー (著), 桜井 誠 (イラスト), 山口 四郎 (翻訳)
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これはドイツの寄宿生高等学校、といっても8才から18才まで、らしいですが、の生徒を中心に、クリスマス前のできごとを書いたものですが、まず他校との小競り合いがあり、からかわれたちびのウリーが勇敢であることを証明しようとして鉄棒の上から傘を持って飛び降りる事件があり(これは足を折っただけですんだ)クリスマス劇の上演があり(作家志望のヨナタン-トロッツの書いたこの劇はユニークで面白いです)実に盛りだくさんの一週間です。
自分が寄宿生だった頃、相談できる大人が誰もいなかったためにつらい思いをしたことから母校の舎監になったユスツス(正義)先生と、妻子を病気から救えなかったために世捨て人になった医者、という二人の大人が少年たちの保護者になる、これは一種の理想郷の話ですが、ケストナーがいつも主張している通り、子どもにだって悲しみはあるのです。
たとえば皮肉屋で恐ろしく頭の切れるヨナタン-トロッツは捨てられた子どもです。
五才のときにたったひとりでニューヨークからハンブルクいきの船にのせられたのですが、迎えにくるはずの祖父母は来ませんでした。
なぜってとっくに亡くなっていたのでーー。
幸い船長が引き取ってくれたので、彼はそれ以上ひどいことにはならなくてすんだわけですが、ヨナタン-トロッツはこのことを一生忘れないだろう、とケストナーは書いています。
金持ちの息子のマチアスも、貧乏な優等生のマルティンも、それぞれが自分の苦しみを抱え、じっと耐えて生きている、素晴らしく完成度の高い少年小説です。
できれば、書体は古いですが、講談社の小松太郎の訳をお薦めします。
今のティーンにはきついかもしれませんが、読める人ならそのほうがいいでしょう。
図書館にいけばありますよ。
講談社少年少女世界名作文学全集には「飛ぶ教室」「点子ちゃんとアントン」「エーミールと三人の軽業師」がはいっていました。
当時もそう思いましたが、いま考えても絶妙なセレクションだったと思います。
あの本の編集者に脱帽…。
定価:520-
出版社:講談社
サイズ:14.8x10.6x1.4cm
文庫:264ページ
posted by 本の探偵 赤木かん子 at 10:06| クリスマススト−リー

2011年12月01日

クリスマスストーリー 1・・
あなたのための小さな物語 (16)クリスマス

赤木 かん子/編著
Little Selections あなたのための小さな物語(16)クリスマス
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西洋には、クリスマスアドヴェントカレンダー、というのがあります。
12月の1日から25日まてが一枚になっていて、たいていはボックスになっていて、なかにお菓子が入っている……。
クリスマスを待つ楽しみかたのひとつですね。
日本じゃ、全然定着しないけどーー。
なので今月は、クリスマスアドヴェントストーリー、をやりましょう。
では今日、
12月1日のクリスマスストーリーは……?
ポプラ社から出した、リトルセレクションのなかの一冊……、その名も「クリスマス」をーー。
クリスマスをテーマしにした、私の好きな短編をいくつか集めてあります。
文字は大きくて読みやすいですが、中味はかなり難しいのも入ってます。
文学の好きなかた向き。
このリトルセレクションは、短編そのものを紹介するとともに、一種の(簡単ではありますが)文学史&こういう作家もいるよ、のご紹介でもありますので、気に入ったものがあればその作家の、ほかの本も読んでみてください。
キャサリン・パターソンなどは牧師夫人なので、毎年クリスマスにはクリスマスの話を教会で朗読しなくてはならず(嬉しいけど頭が痛いわぁ、とおっしゃってました〓)なのでクリスマスがテーマの短編がいくつもあるのです。
短編は、特にハイレベルの短編は、読み解かなくてはならないのでハードルが高いのですが、短編集全部は無理でも、今でも読めるものはできるだけご紹介したい、と思って作った企画です。
リトルセレクションはーー。
今となっては、本読みでない限り、30代、40代以上のかたむきのシリーズ
だろうと思います。
そういうかたには、気軽に読めて、文字も大きくて読みやすく、たくさんの作家に会える、好企画たと思うのですが……。価格は安いしね。図書館向けです。まぁ、本屋さんにはないと思うので、注文するか、図書館でどうぞ

定価:1,365円
初版:2002年02月
サイズ:19.5cm x 13.5cm
ページ数:199ページ
posted by 本の探偵 赤木かん子 at 10:30| クリスマススト−リー